「もう会社を辞めたい」
そう思っていても、いざ退職を考えると、
「辞めてから後悔しないかな……」
「次の会社がもっと悪かったらどうしよう」
「収入がなくなったら生活できるかな」
と不安になるものです。
仕事がつらいと「とにかく早く辞めたい」という気持ちになります。
反対に、
「辞めたら後悔するかもしれない」
と考えすぎて、なかなか動けない人もいます。
では、
退職して後悔しやすい人
と、
後悔を減らせる人
にはどんな違いがあるのでしょうか。
この記事では、退職を考えている人に向けて、
辞める前に考えておきたいポイントを整理します。
そもそも「退職して後悔する」とは?
退職後の後悔には、いろいろあります。
たとえば、
「思ったより転職活動がうまくいかなかった」
「収入が減って生活が苦しくなった」
「前の会社にも良いところがあったと気づいた」
「勢いで辞めてしまった」
「次の会社も同じような職場だった」
といったものです。
一方で、
「もっと早く辞めればよかった」
という後悔もあります。
つまり重要なのは、
「退職すると後悔するか?」ではなく、
「自分は何を理由に辞めようとしているのか?」
を整理することです。
退職して後悔しやすい人・後悔を減らせる人の違い
大きな違いを比較してみましょう。
| 後悔しやすい人 | 後悔を減らせる人 |
|---|---|
| 感情だけで辞める | 辞めたい理由を整理する |
| 生活費を確認していない | 毎月の生活費を把握する |
| 次の仕事をまったく考えていない | 退職後の選択肢を考えている |
| 「会社が嫌」だけで判断する | 何が嫌なのか具体化する |
| 転職すれば全部解決すると考える | 次の職場にも問題はあると理解する |
| 他人の意見だけで決める | 最後は自分で判断する |
| 退職をゴールにする | 退職後の生活まで考える |
この違いをもう少し詳しく見ていきましょう。
後悔しやすい人① 怒りの勢いだけで退職する
「もう知らない!」
「こんな会社、今日で辞めてやる!」
嫌なことが続けば、そう思う日もあるでしょう。
しかし、強い怒りの最中に
人生の大きな判断をすることには注意が必要です。
たとえば上司と大げんかした翌日に退職。
数日後、気持ちが落ち着いてから、
「もう少し考えてからでもよかったかな……」
となることがあります。
もちろん、耐え続けるべきだという意味ではありません。
大切なのは、
「今日嫌なことがあったから辞めたい」
のか、以前から継続して
「この会社では働き続けられない」
と感じているのか
を区別することです。
後悔を減らせる人① 「なぜ辞めたいのか」を書き出している
退職を考えたら、一度理由を書き出してみましょう。
「上司が嫌だから」
だけではなく、
なぜ嫌なのか?
まで掘り下げます。
たとえば、
- 人間関係
- 長時間労働
- 給料
- 休日
- 仕事内容
- 評価制度
- 転勤
- 将来性
- キャリア
- ハラスメント
などです。
ここが明確になると、次の会社を探す条件にもなります。
たとえば、
「給料が安いから辞めたのに、転職先も同じくらいだった」
という失敗を防ぎやすくなります。
退職理由は、そのまま次の職場選びの条件になる。
と考えてみましょう。
後悔しやすい人② 貯金を確認せず辞める
退職するとき、精神的な問題だけでなく現実的に重要なのがお金です。
退職後すぐ次の会社に入るとは限りません。
転職活動が1か月で終わることもあれば、
数か月かかることもあります。
その間にも、
家賃、食費、水道光熱費、通信費、
保険料などの支払いがあります。
そこで退職前に、
「仕事をしなくても何か月生活できるのか」
を確認しておきましょう。
以前作成した、
「仕事を辞める前に確認したい生活費チェックリスト」
への内部リンクを、ここに置くのがおすすめです。
一人暮らしと家族がいる人では重みが違う
特に考えてほしいのが、家族構成です。
一人暮らしなら自分の生活費が中心ですが、
家族の生活を支えている場合は、
住宅費、教育費、保険、車のローンなども関係してきます。
だから、
「○万円貯金があれば全員大丈夫」
とは言えません。
自分の家庭で毎月いくら必要なのかを計算することが先です。
後悔を減らせる人② 固定費まで把握している
おすすめなのは、
「絶対に必要なお金」と「減らせるお金」を分けること。
たとえば、
家賃 70,000円
水道光熱費 15,000円
通信費 8,000円
食費 40,000円
保険 10,000円
その他 30,000円
なら、
月17万3,000円程度。
貯金が60万円なら、
「収入がゼロでも何か月持つのか?」
という具体的な計算ができます。
数字にすると、
「なんとなく不安」
だったものが、
「○月までは大丈夫」
という判断材料に変わります。
後悔しやすい人③ 「転職すれば全部解決する」と考える
今の会社がつらいと、次の会社が理想郷のように見えてしまうことがあります。
でも当然ながら、どの職場にも良いところと悪いところがあります。
給料は上がったけれど忙しくなった。
休日は増えたけれど給料が下がった。
仕事内容は好きだけれど通勤時間が長くなった。
ということもあります。
だから転職するときは、
「何を一番改善したいのか」
を決めておきましょう。
全部を100点にしようとすると、転職先を決められなくなります。
後悔を減らせる人③ 「絶対に譲れない条件」を決めている
転職先を探す前に、条件を3段階に分けてみる方法があります。
絶対に譲れない条件
できれば欲しい条件
なくても我慢できる条件
です。
たとえば、
「年間休日120日以上は絶対」
「給料アップはできれば」
「駅から近いことにはこだわらない」
という具合です。
これだけでも求人を見る基準がかなり変わります。
後悔しやすい人④ 退職すること自体が目的になっている
退職代行を検討するほど会社へ行くことがつらい場合、
「辞められれば、それで全部終わる」
と考えたくなるかもしれません。
でも退職はゴールではありません。
翌日から新しい生活が始まります。
次の仕事を探すのか。
しばらく休むのか。
資格を取るのか。
別の業界へ行くのか。
実家へ戻るのか。
退職後を少しでも考えておくと、「辞めた瞬間に何をすればいいのかわからない」という状態を避けやすくなります。
後悔を減らせる人④ 「辞めた翌日」まで考えている
難しい人生計画を作る必要はありません。
たとえば、
退職→1週間休む→転職サイトを見る→履歴書を作る→応募する
くらいでも構いません。
退職後の最初の行動を決めておくだけでも違います。
「退職すること」ではなく、
「退職して、次にどう生きるか」
まで考えることが後悔を減らすポイントです。
ただし「準備できるまで絶対に辞めない」も違う
ここまで読むと、
「じゃあ貯金して、転職先を決めて、完璧に準備してからじゃないと辞められないの?」
と思うかもしれません。
そうとは限りません。
状況によって優先順位は変わります。
たとえば、暴力や深刻なハラスメント、
著しく危険な職場環境などがある場合は、
完璧な準備を整えることより、
安全を確保することが優先される場合があります。
また、心身に強い不調を感じているなら、
一人で無理に判断せず、
医療機関や公的な相談窓口など専門家への相談も検討してください。
「準備不足だから絶対に辞めてはいけない」
という話ではありません。
「自分で退職を伝えるのが怖い」場合はどうする?
辞める決心はついている。
でも、
- 「上司に言えない」
- 「引き止められるのが怖い」
- 「電話することすら怖い」
という人もいるでしょう。
まず自分で伝えられそうなら、
の記事を参考にしてください。
話す順番を決めておくだけでも、
心理的な負担を減らせる場合があります。
それでも難しい場合に、
退職代行という選択肢を検討することになります。
ただし、退職代行サービスは運営主体によって
対応できる範囲が異なるため、
料金だけで選ばず、
民間業者・労働組合・弁護士などの違いを確認することも重要です。
退職代行を使えば後悔しない?
これは別問題です。
退職代行は、
退職の意思を会社へ伝える負担を軽減するための選択肢にはなります。
しかし、
転職先を決めること、
生活費を管理すること、
退職後の人生を決めること、
まで自動的に解決してくれるわけではありません。
だからこそ、
「会社を辞める問題」と「辞めた後の生活」を分けて考える
ことが大切です。
退職前の7つの最終チェック
「辞めたい」と思ったら、次の7つだけ確認してみてください。
- なぜ辞めたいのか説明できるか
- その原因は社内で改善できるものか
- 毎月の生活費はいくらか
- 収入なしで何か月生活できるか
- 次の仕事で譲れない条件は何か
- 退職後の最初の行動を決めているか
- 自分で退職を伝えるのか、退職代行などを利用するのか
全部に完璧な答えがなくても構いません。
大切なのは、
「嫌だから辞める」だけで終わらせないことです。
まとめ|後悔をゼロにするより「納得できる退職」を目指そう
どれだけ準備しても、
「本当にこれでよかったのかな」
と思う瞬間はあるかもしれません。
人生の選択ですから、後悔を完全にゼロにすることは難しいでしょう。
だから目指したいのは、
後悔しない退職ではなく、自分で納得できる退職です。
なぜ辞めたいのか。
辞めた後どうするのか。
生活できるのか。
次の会社に何を求めるのか。
一つずつ整理してみましょう。
そして、考えた末に、
「やっぱり辞めよう」
という答えになったなら、次は「どう辞めるか」を考える段階です。
自分で伝えられるなら自分で伝える。
どうしても難しいなら、退職代行などの選択肢について調べる。
会社を辞めることだけをゴールにせず、
その先の生活を少しでも良くするための退職
にしていきましょう。


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