「もう仕事を辞めたい」
そう思っているのに、次の転職先が決まっていない。
辞めれば毎日のつらさから離れられるかもしれない。
でも、
「収入がなくなったらどうしよう」
「転職先を決めてから辞めるべき?」
「無職の期間ができると転職で不利になる?」
「失業給付はすぐにもらえる?」
と考え始めると、退職する決断ができなくなることがある。
結論からいえば、
「次が決まっていないなら辞めるべきではない」
と一律にはいえない。
一方で、勢いだけで退職して生活が苦しくなり、
焦って次の会社を決めてしまうのも避けたい。
大切なのは、
「辞めるか、我慢するか」の二択にしないこと。
今の心身の状態、生活資金、転職活動ができる状態か、
退職後に利用できる制度などを一つずつ整理していこう。
「転職先を決めてから辞める」のが必ず正解ではない
一般的には、在職中に転職活動をして、
次の会社を決めてから退職できれば収入が途切れにくい。
経済面だけを考えれば大きなメリットがある。
しかし、それができるのは
今の仕事を続けながら転職活動する余力が残っている場合だ。
例えば、
朝から夜まで仕事で転職活動する時間がない。
休日は疲れて寝て終わってしまう。
会社のことを考えると眠れない。
出勤前になると強い不安を感じる。
こうした状態で、
「転職先が決まるまでは絶対に辞めてはいけない」
と自分を追い込む必要はない。
逆に、仕事はつらいものの心身にまだ余力があり、
生活費に不安があるなら、在職中から求人を探す方法もある。
つまり、最初に考えるのは「転職先があるか」だけではない。
今の自分に、仕事を続けながら次を探せる余力があるか。
ここから考えてみよう。
まず確認したい① 心身にどれくらい影響が出ているか
仕事を辞めたいと感じたら、最初に確認してほしいのが心身の状態だ。
「仕事が面白くない」
「給料に不満がある」
という状態と、
「眠れない」
「食欲がない」
「動悸がする」
「朝になると強い不安が出る」
「休日でも仕事のことが頭から離れない」
という状態では、優先順位が変わってくる。
後者のような状態が続いているなら、
転職活動より先に休養や専門機関への相談が必要な場合もある。
「次の仕事が決まるまで耐える」という考えだけで判断しないことが重要だ。
強い不調がある場合は、医療機関や公的な相談窓口などへの相談も検討しよう。
②「あと何か月生活できるか」を計算する
次の仕事を決めずに退職するとき、非常に重要なのがお金だ。
ただ、
「貯金が○万円あれば大丈夫」
と一律に考えることはできない。
必要な金額は、その人の生活によって違うからだ。
まず毎月の支出を書き出してみよう。
例えば、
家賃
食費
水道光熱費
通信費
ローン・奨学金
保険料
交通費
日用品費
その他の固定費
などだ。
そして、
現在使えるお金 ÷ 退職後の月間支出
を計算する。
仮に使える資金が60万円で、退職後の生活費が月15万円なら、単純計算では約4か月。
ただし実際には、
税金や社会保険など退職後に発生する支出も考える必要がある。
重要なのは、
貯金額そのものではなく
「無収入でも何か月生活できるか」を把握すること。
これが分かるだけでも、退職判断の見え方がかなり変わる。
③ 退職後に必要なお金も忘れない
会社員を辞めると、給与がなくなるだけではない。
健康保険や年金などについて、自分で手続きが必要になる場合がある。
また、住民税の支払いも考えておきたい。
在職中は給与から天引きされているため意識しにくいが、
退職後に負担を実感するケースもある。
そのため、
「毎月の生活費×○か月分の貯金があるから大丈夫」
だけで判断しないようにしよう。
退職予定日が決まってきたら、
健康保険
年金
住民税
雇用保険
について確認しておくと安心だ。
④ 失業給付を「すぐ入る給料」のように考えない
次が決まっていない状態で退職するとき、
雇用保険の基本手当、いわゆる失業給付を考える人も多いだろう。
ただし、
「会社を辞めれば翌月から必ず失業給付が振り込まれる」
という制度ではない。
受給には雇用保険の加入期間などの要件があり、
離職理由などによって給付開始までの扱いも異なる。
自己都合退職の場合、
現在は原則7日間の待期後に給付制限があるが、
2025年4月から給付制限期間は原則2か月から1か月へ短縮されている。
教育訓練等を受ける場合などには給付制限が解除される制度もある。
したがって、
「失業給付があるから貯金ゼロでも大丈夫」
とは考えないほうがいい。
自分が対象になるのか、いつから、
どの程度受給できる可能性があるのかは、
退職前後にハローワークで確認しよう。
⑤ 今の会社で改善できる問題なのか考える
「辞めたい」と感じたら、
何が一番つらいのか
を一度分解してみる。
例えば、
仕事そのものが合わない。
上司との人間関係がつらい。
部署の雰囲気が合わない。
勤務時間が長い。
給与に不満がある。
通勤がつらい。
ハラスメントがある。
仕事内容は好きだが会社が合わない。
原因によって選択肢が変わる。
例えば、仕事そのものは嫌いではなく、
特定の上司との人間関係だけが問題なら、
異動で改善する可能性もある。
逆に、仕事内容そのものが合わないなら、
部署を変えても問題が残る可能性がある。
退職代行ラボでは別記事の「仕事が合わないのか、
職場が合わないのかを見分ける方法」でも詳しく解説しているので、
ここから内部リンクをつなげたい。
⑥「辞めてから転職活動」のメリットもある
転職先を決めずに辞めることにはリスクがある。
しかし、デメリットだけではない。
退職後なら、
求人をじっくり探せる
企業研究に時間を使える
面接日程を調整しやすい
資格取得や勉強に時間を使える
疲れている場合は一度休める
といった利点もある。
特に、
現在の仕事が忙しすぎて転職活動そのものができない人にとっては、
退職後に時間を確保することで動きやすくなる場合もある。
ただし問題は、転職活動が長引いた場合だ。
収入のない期間が長くなるほど、
「早く次を決めなければ」
という焦りが出やすくなる。
その結果、
本来希望していなかった会社へ急いで入社してしまえば、
また同じ悩みを抱える可能性もある。
だからこそ、辞める前の資金確認が重要になる。
⑦ 在職中に「転職活動の準備だけ」始める方法もある
今すぐ本格的な転職活動をする余裕がなくても、
準備だけならできることがある。
例えば、
求人サイトを見る
⇩
自分の経歴を書き出す
⇩
履歴書を作る
⇩
職務経歴書を作る
⇩
希望条件を整理する
⇩
転職市場でどんな求人があるか確認する
といったことだ。
実際に応募しなくてもいい。
求人を見るだけでも、
「今の会社以外にも選択肢がある」
と分かることがある。
逆に、
「希望する条件の求人が思ったより少ない」
と分かれば、退職時期を考え直す材料にもなる。
退職する・しないを決める前に、外の世界を確認する。
これも立派な準備だ。
「次が決まっていない=転職で不利」なの?
退職後に空白期間ができることを心配する人もいる。
ただ、空白期間があるという事実だけで、転職できなくなるわけではない。
一方で期間が長くなれば、
「この期間は何をしていましたか?」
と面接で聞かれる可能性はある。
その場合は無理に取り繕うより、
「退職後に休養期間を取り、その後転職活動を始めた」
「資格取得の勉強をしていた」
「今後のキャリアを整理しながら転職活動を行っていた」
など、実際に行っていたことを説明できるようにしておこう。
その意味でも、退職後を完全な「何もしない期間」にするのではなく、
⇩ ⇩
休む期間と動き始める時期を大まかに決めておく
という方法もある。
「今すぐ辞めたい」と思ったら、3段階で考える
退職するか迷っているなら、
次の3段階に分けると整理しやすい。
レベル1 まだ仕事を続けられる
心身への大きな影響はなく、転職活動する余力もある。
この場合は、在職中から求人探しや応募を始め、
次の会社が決まってから退職する方法を検討できる。
レベル2 仕事を続けるのがかなりつらい
毎日強いストレスを感じ、転職活動する余裕も少ない。
有給休暇、休職、配置転換、相談窓口なども含めて、
一度仕事から距離を取る方法を考える。
退職する場合は、生活資金や制度を確認してから動きたい。
レベル3 心身に強い影響が出ている
眠れない、食べられない、動悸がする、
強い不安が続くなど、日常生活にまで影響している。
この場合は「転職先を決めること」より、
休養や医療機関などへの相談を優先することも検討してほしい。
退職代行ラボの
「会社のことを考えると眠れないときの相談先」
の記事へ内部リンクを設置すると自然だ。
「辞める」「続ける」以外にも選択肢はある
仕事がつらくなると、
①我慢して働き続ける
②会社を辞める
の二択になりやすい。
しかし実際には、
□有給休暇を取る
□上司へ相談する
□人事へ相談する
□異動を希望する
□休職を検討する
□働きながら転職活動する
□一度退職して休む
□退職して転職活動する
など、途中にもいくつもの選択肢がある。
ハラスメントや解雇、労働条件など会社とのトラブルがある場合には、
厚生労働省の総合労働相談コーナーという選択肢もある。
労働問題について無料で相談でき、予約不要で、
プライバシーにも配慮すると案内されている。
退職代行は「辞めると決めた後」の選択肢の一つ
ここも「退職代行ラボ」として大切にしたい部分だ。
仕事を辞めたいと思ったら、
すぐ退職代行を使わなければならないわけではない。
まだ、
「本当に辞めるか迷っている」
「異動できるなら続けたい」
という段階なら、まず自分の状況を整理したほうがいい場合もある。
一方、
退職する意思は固まっている。
⇩
でも上司へ自分で言えない。
⇩
会社との連絡が大きな負担になっている。
という場合には、
退職意思の伝達などを退職代行へ依頼する方法が選択肢になる。
ただし、退職代行は運営主体によって対応範囲が違う。
民間事業者・労働組合・弁護士
の違いについては、
別記事の「退職代行とは?仕組み・流れ・料金を初めての人向けに解説」
を読んでみよう。
退職前チェックリスト
次が決まっていない状態で退職するなら、最低限、次の項目を確認してみよう。
□今の仕事を続けながら転職活動できる状態か
□心身に強い影響が出ていないか
□退職理由を自分なりに整理できているか
□毎月の最低生活費はいくらか
□無収入なら何か月生活できるか
□健康保険・年金・住民税などを考慮しているか
□雇用保険の受給要件を確認したか
□退職後いつから転職活動を始めるか
□今の会社で異動・休職などの選択肢はないか
□退職後に同じ問題を繰り返さないため、次の会社に求める条件を整理したか
全部に○がつかなければ退職してはいけない、
というチェックリストではない。
見落としている問題を見つけるためのチェックリストとして使ってほしい。
まとめ|「次が決まっていない」だけで退職を判断しない
仕事を辞めたいのに次が決まっていないと、
「次を決めてから辞めるべきか」
ばかり考えてしまう。
しかし、本当に確認したいのはそこだけではない。
■今の仕事を続けられる状態なのか。
■生活資金はどれくらいあるのか。
■退職後に必要なお金はいくらなのか。
■失業給付などの制度は利用できるのか。
■働きながら転職活動できるのか。
■一度休む必要はないのか。
これらを分けて考えることが重要だ。
余力があるなら、
在職中に転職活動を進めることで収入が途切れるリスクを減らせる。
一方、仕事によって心身への影響が強く出ているなら、
「次が決まっていない」という理由だけで無理を続けないことも大切だ。
そして退職する意思が固まったものの、
自分から会社へ伝えることが大きな負担になっているなら、
そこで初めて退職代行という選択肢を検討してもいい。
退職代行ラボでは、
「辞めること」だけをゴールにしない。
今の会社を辞めたあと、
次の生活や仕事へどうつなげるかまで考えることが、
後悔を減らすためには重要だ。


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