退職代行ラボ|退職後の生活とお金シリーズ 第2回
失業保険(雇用保険)はいくら、いつから、何日間もらえる?
2026年の制度に基づき、自己都合・会社都合の違い、受給条件、
給付日数、金額の計算方法を解説。
40代・50代が退職前に確認したい生活費の注意点も紹介します。
会社を辞めたい。
でも、退職した後の生活費はどうすればいいのだろう?
そんな不安を抱えて、
なかなか退職を決断できない人も多いのではないでしょうか。
特に40代・50代になると、住宅ローン、子どもの教育費、
家族の生活費など、簡単には減らせない支出があります。
退職後の生活を支える制度の一つが、
一般に「失業保険」と呼ばれる雇用保険の基本手当です。
ただし、会社を辞めた人が全員もらえるわけではありません。
また、退職理由や年齢、雇用保険の加入期間によって、
受給開始時期や受給できる日数が変わります。
この記事では、次の疑問をわかりやすく解説します。
- 失業保険はいくらもらえるのか?
- 退職してからいつ振り込まれるのか?
- 何日間受給できるのか?
- 自己都合退職と会社都合退職で何が違うのか?
- 40代・50代が退職前に確認すべきことは?
退職を勧めるための記事ではありません。
辞める前に生活の見通しを立て、自分にとって無理のない選択をするための記事です。
失業保険とは?退職後の生活を支える制度
失業保険は、正式には雇用保険の「基本手当」といいます。
働く意思と能力があり、
仕事を探しているにもかかわらず就職できない人を支えるための制度です。
例えば、次のような人が対象になる可能性があります。
- 自己都合で退職し、次の仕事を探している人
- 会社の倒産や解雇によって失業した人
- 契約期間が満了し、再就職を希望している人
ただし、退職してしばらく休養するつもりで、
就職活動をしない場合は、原則として受給できません。
失業保険は退職したことへのご褒美ではなく、
再就職を支援する制度だと理解しておきましょう。
失業保険をもらえる条件は?
雇用保険に加入していた期間が重要
一般的な自己都合退職の場合、原則として離職前2年間に、
雇用保険の被保険者期間が通算12か月以上必要です。
会社都合退職など、
特定受給資格者や特定理由離職者に該当する場合は、
離職前1年間に通算6か月以上で受給資格を得られることがあります。
なお、被保険者期間は単純な在籍月数ではありません。
原則として、賃金支払いの基礎となる日数が11日以上、
または80時間以上ある月を数えます。
病気やストレスで働けない場合は?
ここは「退職代行ラボ」の読者に、特に知っていただきたい部分です。
仕事のストレスが強く、退職後すぐには働けない場合、
基本手当の受給要件を満たさない可能性があります。
ただし、病気やけがなどで30日以上働けない場合には、
受給期間の延長制度があります。
無理に求職活動を始めるのではなく、
医師やハローワークに相談して、
自分の状態に合った制度を確認しましょう。
失業保険はいくらもらえる?
最も気になるのは、実際に受け取れる金額でしょう。
基本手当の金額は、
原則として退職前6か月間の賃金をもとに計算します。

2026年8月1日からの基本手当日額の上限
| 退職時の年齢 | 1日当たりの上限 |
|---|---|
| 30歳未満 | 7,450円 |
| 30歳以上45歳未満 | 8,270円 |
| 45歳以上60歳未満 | 9,110円 |
| 60歳以上65歳未満 | 7,830円 |
最低額は2,562円です。これらは2026年8月1日からの金額で、
毎年見直される場合があります。
失業保険計算シミュレーション
重要: このコードは設置方法を試すための簡易版です。給付率を60%で固定しているため、実際の雇用保険の基本手当を正確に計算するものではありません。正確な情報はハローワークインターネットサービスをご覧ください。
失業保険かんたん計算
退職前の月給と給付日数を入力してください。
単位:万円
※基本手当日額を賃金日額の60%と仮定した参考試算です。 実際の給付率、年齢別の上限・下限、端数処理などは反映していません。 正式な受給額はハローワークでご確認ください。
失業保険はいつからもらえる?
退職してすぐに振り込まれると思っていると、生活費の計画が狂ってしまいます。
自己都合退職の場合
2025年4月1日以降の一般的な自己都合退職では、
給付制限期間が原則1か月になりました。
受給までの流れ
- 会社を退職し、離職票を受け取る
- ハローワークで求職申込みと受給手続きをする
- 7日間の待期期間
- 原則1か月の給付制限期間
- 失業認定を受け、認定された日数分が振り込まれる
初回の入金まで、手続き開始から2か月程度かかることもあります。
離職票の到着や認定日によって変わります。
なお、過去5年間の自己都合退職による受給歴などによっては、
給付制限が3か月になる場合があります。
一定の教育訓練を受講した場合には、
給付制限が解除される制度もあります。
会社都合退職の場合
倒産や解雇などで特定受給資格者に該当し、
給付制限がない場合でも、7日間の待期期間はあります。
最初の振込は、求職申込みからおおむね1か月後が目安です。
「会社都合なら退職した翌日にお金が入る」というわけではありません。
失業保険は何日間もらえる?
失業保険の受給日数は、
雇用保険の加入期間、退職理由、年齢などによって決まります。
一般的な自己都合退職の場合
| 雇用保険の加入期間 | 所定給付日数 |
|---|---|
| 1年以上10年未満 | 90日 |
| 10年以上20年未満 | 120日 |
| 20年以上 | 150日 |
一般的な自己都合退職では、年齢にかかわらず上記の日数となります。
会社都合退職などの場合
倒産・解雇などによる特定受給資格者や、
一部の特定理由離職者では、受給日数が長くなる場合があります。
例えば、45歳以上60歳未満の特定受給資格者の場合です。
| 雇用保険の加入期間 | 所定給付日数 |
|---|---|
| 1年未満 | 90日 |
| 1年以上5年未満 | 180日 |
| 5年以上10年未満 | 240日 |
| 10年以上20年未満 | 270日 |
| 20年以上 | 330日 |
※具体的な日数は、離職理由や個別の受給資格によって異なります。
40代・50代は退職前に生活費を計算しよう
40代・50代の退職では、失業保険の金額だけを考えるのは危険です。
退職すると、
これまで給与から天引きされていた社会保険や
税金の支払い方法も変わります。
退職後に必要なお金
| 支出項目 | 注意すること |
|---|---|
| 食費・日用品 | 家族の人数によって変動 |
| 家賃・住宅ローン | 退職後も毎月支払いが続く |
| 健康保険料 | 任意継続・国民健康保険・扶養などを比較 |
| 国民年金保険料 | 切替えや免除制度を確認 |
| 住民税 | 前年所得をもとに課税される |
| 教育費 | 子どもの進学時期に注意 |
| 通信費・光熱費 | 固定費の見直しが可能 |
生活費の具体例
例えば、
毎月の生活費が25万円、
基本手当が28日分で約16万8,000円なら、
単純計算で月約8万2,000円が不足します。
しかも、受給開始までの期間は失業保険が入りません。
貯蓄が少ない場合、
生活費を補うために借入れが必要になる可能性もあります。
退職前に、少なくとも受給開始までの生活費と、
その後の不足額を試算しておくことが重要です。
パワハラや長時間労働で退職した場合は?
「自分から退職を申し出たから、必ず自己都合退職になる」
そう思っている人もいるかもしれません。
しかし、実際には、著しい嫌がらせや長時間労働など、
退職に至った事情によって、
特定受給資格者などに該当する場合があります。
退職理由の判断は、
会社が離職票に書いた内容だけで決まるわけではありません。
ハローワークが本人と会社双方の主張や資料を確認して判断します。
例えば、メール、勤務記録、
相談履歴などは事情を説明する際の資料になります。
退職理由に納得できない場合は、ハローワークに相談してください。
失業保険を受け取るまでの手続き
基本的な手続きは次のとおりです。
- 会社から離職票を受け取る
- 住所地を管轄するハローワークで求職申込みをする
- 雇用保険の受給資格を確認してもらう
- 雇用保険受給者説明会などに参加する
- 原則4週間ごとに失業認定を受ける
- 認定された日数分の基本手当を受け取る
求職活動実績が必要となるため、求人への応募や職業相談など、認められる活動を行いましょう。
アルバイトや副業をした場合も、必ず申告が必要です。
収入や働いた時間によっては、
基本手当が減額・不支給となったり、支給が繰り越されたりします。
失業保険についてよくある質問
Q.退職代行を使って辞めた場合も、失業保険はもらえますか?
はい。退職代行を利用したこと自体で、
雇用保険の受給資格が失われるわけではありません。
加入期間や失業状態などの要件を満たす必要があります。
Q.失業保険をもらいながら転職活動できますか?
もちろんです。基本手当は、再就職活動を支援するための制度です。
早期に就職した場合は、
条件を満たせば再就職手当の対象になることもあります。
Q.失業保険に税金はかかりますか?
雇用保険の基本手当は非課税です。
ただし、住民税や健康保険料などの支払いがなくなるわけではありません。
Q.受給手続きはいつまでにすればよいですか?
基本手当を受給できる期間は、
原則として離職日の翌日から1年間です。
手続きが遅れると、所定給付日数を使い切れない場合があります。
病気やけがなどによる延長制度の対象になる場合は
別途確認してください。
まとめ|失業保険を知ることは、退職後の生活を守ること
会社を辞めるかどうかは、簡単に決められることではありません。
特に家族を支えている人にとっては、
収入が途絶える不安が大きいでしょう。
しかし、制度を正しく理解し、
退職後の生活費を計算しておけば、
漠然とした不安を具体的な数字に変えることができます。
大切なのは、失業保険があるから会社を辞めることではありません。
退職する場合にも、働き続ける場合にも、
自分と家族の生活を守れる選択をすることです。
「退職代行ラボ」では、
これからも退職前後に必要な知識や制度を、
わかりやすくお伝えしていきます。


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